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特許出願の国内優先権とは?




<下記インタビュー内容>

まず特許出願に関して国内優先権という制度、これは実用新案登録出願にもございます。特許と実用新案に国内優先権という制度が確かにございます。まず、なぜこういった制度があるかということなんですけれども、もともと優先権という概念は、パリ条約という法律が産業財産権法関連法規の中にございます。このパリ条約の中の4条に優先権という規定がございます。優先権とは何かといいますと、パリ条約というのは国と国との関係を条約として規定したものですから、例えば、日本で最初に特許出願をして、アメリカでも特許を取りたいということが当然あるわけですが、そういった場合には、日本の出願日から1年以内であれば、アメリカ特許庁に出願した場合に、アメリカ特許庁に例えば364日目に出願したとします、あと1日たてば1年がもう経過するわけですけれども、仮にその364日目に出願したとしても、その日本の出願日をアメリカの特許庁に対して主張できるというのが優先権です。ですから、最初の出願から1年以内であれば、第一国の出願日を第二国の特許庁、裁判所において主張できる、これが優先権です。これはパリ条約の4条で規定されておりまして、いわゆる、法律概念としては、国際優先権と称します。
 国内優先権というのは、特許法では41条に規定されておりますけれども、この国際優先権に対応する概念として、国内版として国内優先権があるというふうに理解されます。国内優先権というのはどういう概念か、なぜこれが生まれたかというと、国際的な国と国との間でやり取りをする時には優先権を認めているんだから、国内でも何かそういったものがあってもいいじゃないかと、こういう議論はずっと前からあったわけです。それで、法律改正によってこれが入ってまいりました。やはりこれも、優先権のファンクションとしてはどういうふうに使われるかというと、まったく同じで、日本でした最初の出願から1年以内であれば、その国内優先権を使って別個の出願をできるという制度です。
 別個で出願する時にどういう使われ方をするかというと、日本の場合、一番多く使われているパターンというのは、例えば、最初に出願をしたという場合、Aという発明を請求書に書いて、「私はAについて権利を取りたい」ということで出願をした場合に、その後半年くらい技術開発を重ねていくと、bというものをこれに付け加えたい、こういう事態が当然にあり得るわけです。ところが、最初の出願ではAという発明しか書いていませんので、これにbを追加するということは、実はできません。なぜかと言うと、本来特許制度というのは、最初に出願したところで、一つそこに書いた内容、そこに開示した内容で出願の土俵が決まります。そうすると、その土俵が1回決まった場合には、それを広げてはいけないという規定がございます。これはなぜかと言うと、新たなものをそこに追加しようとすると、第三者の利益を害することになりますから、本来、出願時点において記載した事項の範囲を超えるようなものを追加してはいけないという決まりがございます。なので、先ほどのように、bを追加するということは本来できないのです。ところが、国内優先権制度を使うと、これが可能になります。すなわち、Aという発明について出願をした日から1年以内であれば、bを追加した特許出願、第二番目の出願、同一出願人ですけれども、それを行うことが可能です。そうすると、Aの部分は当然最初の出願日をもって、特許庁では特許性の判断をします。ただ、bに関しては、最初の出願日まで戻ることなく、それが追加された日、すなわち二番目の出願の日をもって、bについては特許性があるかどうかの判断がされるという形になります。
 こういう形の利用が、他にもいろんな利用のパターンはあるのですけれども、今たぶん実務上一番多く利用されているのは、こういった新たな要素を元の出願に追加していく。こういった場合に使われていると思いますし、そういう面から考えれば非常に便利で、うまく使えば国内優先権というのは実にユーザーフレンドリーな制度であると言えます。

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